第9回権利擁護事例検討会を開催しました(R6.2.15)

今回も会場のみの開催となり、20名の方に参加頂きました。

今回の事例、「盲ろうあ者である本人の意思決定」というテーマで意見交換を行いました。同居している兄が外部との関りを断っており、本人が外部とのつながりが持てずにいる。また本人とのコミュニケーションがうまくできないことから、本人から今後どうなっていきたいかという意向もわからない。今後、兄が倒れた時などに備えて成年後見制度の検討必要なのではないかという相談者からの問題提起がなされました。

事例提出とほぼ時期を同じくして、本人が入院したことで、外部の人間との関わりも出来たこと。その中で、本人の意思表出を含めたコミュニケーションが可能なのではないかという兆しも見られたこともあり、参加者より出された提案や助言の方向で事態も進行しているようで皆で安心しました。ただ、今後面倒を見てくれている兄の健康不安や、本人の状態によっては成年後見制度の利用等のなんらかの権利擁護が必要になると思われるので、引き続き関係機関の連携は必要と思われます。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

弁護士によるミニ解説は、「緊急避難・緊急事務管理」について説明して頂きました。支援者の集まる会議などにおいても、安否確認のために利用者宅の窓ガラスを割ったら責任はどうなるのだろうかといった質問もあるため、今回は解説をお願いしました。実際に救助が必要だった場合はもちろん、救助が不要だった場合においても、救助が必要であると判断する根拠があり行為者の過失が小さければ、刑事責任、民事責任は原則負わないとのことでしたが、現実的には、こうしたトラブルを避けるためには、親族の了解を取る、管理人、管理組合に協力を求める、警察官に立ち合いを求めるなどの対応がより適切であろうという解説でした。

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