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成年後見制度について

後見人とは:このたび、後見人に選任されましたが、後見人の仕事と責任について教えてください

後見人は、被後見人(後見を受ける人)の身上監護と財産管理を行います。また、行った職務の内容を家庭裁判所に報告します。

後見人の最初の仕事:後見人に選任されて、まずしなければならないことは何ですか

速やかに被後見人の財産の内容を把握した上で、被後見人のために毎月どのくらいお金が必要かの予算を立て、1か月以内に財産目録等を家庭裁判所に提出してください。

被後見人の預貯金の管理の仕方:最近は金利が低いので、元本割れの危険はあるものの、利回りがよい方法で運用してもよいでしょうか。被後見人名義の預金がありますが、後見が開始された後、口座の名義変更等、何かをする必要はありますか

投機的な運用は、原則として認められていません。低金利でも、元本が保証される安全確実な方法で管理してください。また被後見人名義の口座がある金融機関に対し、後見人が選任された旨を届け出てください。口座名義は、被後見人名義又は「甲 山 花 子 成年後見人 乙 川 太 郎」(被後見人名)(後見人名) という名義にしてください(ただし、金融機関によって取扱いが異なる場合があります)。

被後見人の財産の使い道:お金を使う際、具体的に、どのようなものに支出してよいのでしょうか。また、支出してはいけないものにはどのようなものがあるでしょうか

被後見人の財産は、被後見人のために使うのであれば、使い道に特に制限はありません。ただし、金額、支出の必要性、かけたお金と得られる結果のバランスなど、「常識の範囲内」という制約は伴います。

被後見人の財産の処分:被後見人が自宅とは別に所有している土地を売却したいのですが、どうしたらよいでしょうか

被後見人の財産(居宅に関するものを除く。次問参照)の処分は、後見人の責任で行ってかまいません。ただし、被後見人に損害を与えないよう、処分の必要性、他の方法の有無、被後見人の財産の額などを事前に十分に検討してください。

被後見人の自宅の処分:被後見人は、入院が長引いており、自宅に戻ることは難しいようです。被後見人の自宅が空き家になっていて不用心なので、売却したいと思っています。問題はありますか

被後見人が住んでいた家の売却、取り壊し、または、借りていたアパートの契約の解除などには、家庭裁判所の許可が必要です。

被後見人の財産がなくなったとき:被後見人の財産はほとんどありません。入院費などを支払って全部なくなってしまったら、後見人が被後見人の生活費を負担しなければなりませんか

後見人ではなく、被後見人の扶養義務者が負担します。もし、後見人自身が、被後見人の扶養義務者であれば、負担を求められることがあります。身寄りがないなど、だれの援助も受けられない場合は、生活保護を受給することになります。

後見人に対する報酬の付与:後見人には報酬が支払われると聞きました。被後見人と親族の関係にあってももらえるのですか。もらえるとすれば、どのくらいもらえるのですか

後見人であれば、親族でも第三者でも報酬をもらうことができます。ただし、報酬を受け取るためには、家庭裁判所に「報酬付与」の申立てが必要です。報酬の金額は、後見人の仕事の内容に応じて家庭裁判所が決めます。

後見人の辞任:病気や高齢により、後見人の仕事を続けることができなくなった場合は、どうすればよいですか

家庭裁判所に、「成年後見人の辞任」の申立てをしてください。

後見人の任務の終了:後見人に選任されましたが、後見人の任務はいつまで続くのですか。後見人の任務を終えるときには何をしたらいいでしょうか

後見人の任務が終了するのは、①被後見人が死亡したとき、②被後見人の判断能力が回復して後見開始の審判が取り消されたとき、③後見人が辞任したとき、④後見人が解任されたときです。
任務を終了する際の大事なことは、財産の引継ぎです。後見人は、それまで管理していた被後見人の財産について、管理の計算をし、それを家庭裁判所に報告し、相続人又は被後見人若しくは新しい後見人に引継ぎをして任務が終了します。

後見人であることの証明:後見人であることの証明を求められたときは、どうすればよいでしょうか

郵送で請求する場合は、東京法務局に「登記事項証明書」を申請してください。窓口で証明書の交付を求める場合は、東京法務局民事行政部後見登録課又は東京法務局以外の各法務局・地方法務局戸籍課(滋賀県では大津地方法務局戸籍課のみ)に申請してください。

(成年後見制度について、以上、大津家庭裁判所ホームページより)