認知症などによりお金の管理ができなくなって困っていたり、だまされていろいろな物を買わされている高齢者、それから、障がいのある子どもさんの親なき後のことを心配している親御さんが多くおられることに気づいた海部南部地域の方が集まり、平成25年11月に「権利擁護事例勉強会」が開催されました。

 この勉強会はその後毎月行われ、法律の観点からの検討も必要であることから、弁護士も交えて行われ、認知症、知的障がい、精神障がい等により判断能力が低下した人たちの生活や財産を守る制度であります「成年後見制度」を活用することにより対応していく事例が出てくるようになりました。また、このように事例検討を重ねるうちに、地域包括支援センター職員や、ケアマネジャー、障がい支援相談員、行政や施設の担当者の間に利用者の権利を守ろうという意識と、その必要性を有する人たちに気づく、さらにはそのような人たちを見つける目が徐々に育っていきました。

 しかし、なかには、親族にも頼ることができず、専門職による対応でも解決が難しいと思われる事例もあり、そのような状況にある人たちをより専門的な立場から支援することの必要性が感じられるようになり、「この地域に権利擁護センターがあったらな」という声が聞かれるようになりました。

 このようななか、平成28年に成年後見制度の利用促進に関する法律が施行されたことに後押しされ、弥富市、蟹江町、飛島村の3市町村で「成年後見制度のみならず障がい者のことも考える権利擁護センター」を開設しようという流れができました。

 このことに関する検討会が何度か開催され、検討会が始まってから約2年後の令和2年6月に設立総会が行われ、10月1日に弥富市役所十四山支所内に「海部南部権利擁護センター」準備室が開設し、令和3年1月4日に開所の日を迎えることになりました。