第4回権利擁護事例検討会を開催しました(R5.9.21)

今回は、会場に11名、Zoomに24名、併せて35名の方に参加頂きました。

今回の事例は、「親族の意向により支援に支障がある場合」という支援者としては一度は経験したことのある題目で、皆さんで話し合って頂きました。
本人に関し何かを決定する際、本人の意思決定力が強ければ、家族にもそのことを説明し本人を応援出来ますが、意思決定の力が弱いと、擁護することが出来ても、決定の際に家族の意向が優先されてしまう事があります。しかし、家族が面倒をみていることもあるので、それを正面から否定することも難しい、という悩みが課題としてあげられました。
出された意見は、本人支援を世帯支援としてとらえ、世帯員それぞれに支援が必要なのではないか、という家族支援の視点。また、本人が何を望んでいるかという意思決定支援の視点という二つの大きな視点が示されました。意思決定支援については、経験していないことは選択できないという考えを前提に、まずは体験してみること、そしてその経験を元に決定していくことが必要ではないか。その決定が、支援者が望む選択ではなかったとしても尊重すべきという意見も出されました。
実際、入院した母親に適切な治療や支援が行われることで、父親が母親から受けるストレスが軽減され、父親の本人への対応が改善し、家族が落ち着いているとの経過報告が最後にはありました。

弁護士によるミニ解説は、「高齢者が交通事故を起こした場合の責任」について説明して頂きました。この問題においては、事故を起こした高齢者本人の責任についてはもちろんですが、交通事故をおこした本人に判断能力の低下があった場合、家族等の責任についても会場では興味が示されました。鍵の保管方法等によっては家族も責任を負う可能性もあるとのことですが、車両の所有者が責任を負わなくて済むことはほぼない、ということについては、弁護士からも注意喚起がなされました。

当センターでも第3木曜日の午後に弁護士無料相談を開催しております。お気軽にお電話にてお申込み下さい。