第10回権利擁護事例検討会を開催しました。(R5.1.19)

令和5年1月19日、令和4年度第10回権利擁護事例検討会を開催致しました。
会場とZoomのハイブリッド形式での開催となりましたが、会場に4名、Zoomに30名、併せて34名の方に参加頂きました。

一つ目の事例では、賃貸住宅における家賃の未払いと退去の可能性、ショートステイ利用のための身元保証会社との契約などを検討してみました。弁護士より、数回の家賃支払いの遅れは退去原因とはならないと助言いただきました。身元保証に関しては、本来必要のない身元保証が求められているという建前と現実の差について、この差を埋めるために地域で考えていかなければならないと実感しました。二つ目の事例は、判断能力が不十分な方による日常生活自立支援事業の解約の適否が話し合われました。日常生活自立支援事業があくまで本人との契約によって行われている事業であることからして、原則的には本人の意思を尊重して解約するべきではという意見も出されました。判断能力の低下以外に法的課題があれば成年後見制度への移行も考えられますが、その際も本人への丁寧な説明と、判断能力に応じた同意が必要であるとの意見も頂きました。

弁護士によるミニ解説においては、「死後事務委任契約」について説明していただきました。亡くなった後の葬儀、納骨、財産の整理などを、第三者(法人も含む。)へ委任する契約を締結することで、死亡後に備えることができます。遺言は,財産に関する事項・身分関係に関する事項・遺言執行に関する事項以外のことは、付言として述べることはできても、実効性は担保できないこと、一方的な行為なので、死後事務をどのようにしてもらうかについては希望を述べることはできても、拘束力はありません。目的に応じて死後事務委任契約との使い分けが大切になるようです。

次回は2月16日(木) 16:00からの開催となります。